2021年のアルバム30選
- 年末行事として今年も選んだ。
- 例によって、並び順に特に意味はない。
- 毎年、いつのタイミングで選ぶことにするかいつも迷う。早めに書くと12月中に発表される作品を適切に考慮できないのだが、遅めに書くと、自分が選ぶまで、同じようにアルバム選をやられているほかの方や各種メディアの記事を読めない(影響を受けたくないため)という点が難儀だ。両者のバランスを取るのは難しい。
本編
01. 『20,Stop it.』 - KID FRESINO
- バラエティー豊かな曲が揃っていて、いずれの曲もサウンドが素晴らしい。
- M-8「incident feat. JAGGLA」、M-10「come get me」、M-13「No Sun - toe Remix」が気に入っている。
02. 『Annihilation』 - AAAMYYY
03. 『Bleu』 - Claire Laffut
04. 『Far In』 - Helado Negro
- シンセの心地よさが素晴らしい。
- M-2「Gemini and Leo」、M-7「Hometown Dream」、M-9「Outside the Outside」が気に入っている。
05. 『Freedom Fables』 - Nubiyan Twist
- とにかくグルーヴィーで、聴いていて楽しい時間があっという間に過ぎる。
- M-2「Tittle Tattle」、M-8「24-7」、M-9「Wipe Away Tears」が気に入っている。
06. 『Going Going Gone』 - Mild High Club
- サイケなサウンドの中に温かみを感じられる良いアルバム。
- M-5「A New High」、M-8「I Don't Mind The Wait」、M-10「Waving」が気に入っている。
07. 『green diary』 - 中島愛
08. 『Hidemi』 - Patrick Shiroishi
- 静謐さと強さが全体にわたって炸裂する非常に完成度の高いアルバム。
- M-2「Tule Lake Like Yesterday」、M-6「To Kill a Wind-Up Bird」、M-9「The Long Bright Dark」が気に入っている。
09. 『Intra-I』 - Theon Cross
- 深く響くチューバが恐ろしいほど格好良い。
- M-2「We Go Again」、M-4「The Spiral」、M-9「Play to Win」が気に入っている。
10. 『Jubilee』 - Japanese Breakfast
- 1曲目の「Paprika」のフックが素晴らしく、一挙にアルバムの世界へ持ち上げられる。
- M-1「Paprika」、M-7「Savage Good Boy」、M-8「In Hell」が気に入っている。
11. 『love is the mystery』 - Lantern Parade
- 現実から切り離されたようで、でも現実を肯定してくれるような、素晴らしい歌声とサウンドのアルバム。
- M-5「わたしたちは謎めいている」、M-9「気ままに踊ろう」、M-10「目は澱んでも存在は輝く」が気に入っている。
12. 『Mercurial World』 - Magdalena Bay
- キャッチーなサウンドの中に色々な仕掛けが施されていて聴いていてとても楽しい。
- M-2「Mercurial World」、M-5「You Lose!」、M-14「The Beginning」が気に入っている。
13. 『Music for Saxofone & Bass Guitar More Songs』 - Sam Gendel, Sam Wilkes
- Sam Gendel は今年ありえないほど曲数を発表しており、しかもいずれも素晴らしいのだが、なかでも Sam Wilkes のベースと組んだこのアルバムが極上である。
- M-1「THEEM PROTOTYPE」、M-3「I SING HIGH」、M-4「COLD POCKET」が気に入っている。
14. 『Nebula』 - 上田麗奈
- 1曲1曲に身を委ねて聴くと、アルバム終盤で訪れる世界への肯定の視線が自身にも重なってくる、素敵なアルバム。
- M-7「プランクトン」、M-8「anemone」、M-9「わたしのままで」が気に入っている。
15. 『Notes With Attachments』 - Pino Palladino, Blake Mills
- 変幻自在のメロディーとリズムにめちゃくちゃ上手い演奏が合わさって良くないわけがない。
- M-1「Just Wrong」、M-3「Ekuté」、M-5「Djurkel」が気に入っている。
16. 『On All Fours』 - Goat Girl
- グルーミィさと明るさが共存している面白くて洗練されたアルバム。
- M-2「Badibaba」、M-6「Sad Cowboy」、M-11「Bang」が気に入っている。
17. 『Overtones for the Omniverse』 - Mocky
- 26分程度の短いアルバムだが、聴き終えたときの充実感はとても大きい。
- M-2「Bora!」、M-5「Ape-Ifanys」、M-7「Wishful Thinking」が気に入っている。
18. 『Private Reasons』 - Bruno Pernadas
- 1曲ごとに異なる心地よさがあり、いろいろな場所に旅行をしているように楽しめる。
- M-2「Lafeta Uti」、M-7「Recife」、M-12「Step Out Of The Light」が気に入っている。
19. 『Ripe』 - Brainstory
- サイケサウンドが上手すぎる。
- M-2「Seasons」、M-5「Bye Bye」、M-7「Vortex」が気に入っている。
20. 『The River Doesn't Like Strangers』 - Chelsea Carmichael
- どの曲もリズムセクションが素晴らしく、特に「There Is You And You」が良い。
- M-2「All We Know」、M-4「Myriad」、M-5「There Is You And You」が気に入っている。
21. 『Sankofa』 - Amaro Freitas
- 複雑で濃密なリズムが一聴して忘れられず、鮮烈。
- M-2「Ayeye」、M-3「Baquaqua」、M-6「Batucada」が気に入っている。
22. 『Śisei』 - arauchi yu
- スティーヴ・ライヒ『Different Trains』を好んで聴いていた身としては、その系譜を受け継いで発展させている曲が多くあって面白かった。
- M-1「Two Shadows」、M-4「Whirlpool」、M-8「Protector」が気に入っている。
23. 『So Many Me』 - Michael League
- かなり攻めた楽器構成やサウンドをしているにもかかわらず、シンセやボーカルの質感と合わさってどの曲も聴きやすく心地良い。
- M-5「I Wonder Who You Know」、M-6「Touch Me」、M-8「In Your Mouth」が気に入っている。
24. 『Sometimes I Might Be Introvert』 - Little Simz
- "Introvert"(内省的)でありながらアルバム全体を通じて多彩かつ野心的なリリックとサウンドが伝わってくる素晴らしいアルバム。
- M-1「Introvert」、M-13「Protect My Energy」、M-18「How Did You Get Here」が気に入っている。
25. 『Strides』 - 小袋成彬
- ビートとボーカルが本当に気持ちが良く、クオリティの高さに唸ってしまう。
- M-3「Formula」、M-4「Butter」、M-7「Parallax」が気に入っている。
26. 『Ⅵ』 - ミツメ
- リズムやフレーズの複雑さが面白い。1曲1曲が自立している感じなので個別にいつでもどこでも聴けるのも魅力。
- M-3「変身」、M-7「システム」、M-9「リピート」が気に入っている。
27. 『What We Call Life』 - Jordan Rakei
- 派手さはないものの全曲繊細な作りで、特に前半のポップさが気に入っている。
- M-2「Send My Love」、M-3「Illusion」、M-4「Unguarded」が気に入っている。
28. 『たのしみ』 - U-zhaan, 環ROY, 鎮座DOPENESS
29. 『心理』 - 折坂悠太
- サウンドの多彩さをボーカルで巧みに統合している。歌いたくなる曲も多く、聴きごたえがある。
- M-2「心」、M-4「悪魔」、M-7「鯱」が気に入っている。
30. 『最果のダリア』 - Chouchou
- Chouchouの音楽世界に素晴らしいギターの音色が合わさってとても良いコラボレーションになっている。
- M-3「Lovers & Cigarettes」、M-5「Girl」、M-6「Orion」が気に入っている。
あとがき - 音楽に関する雑記
- YouTube Shorts や TikTok などの短尺動画が盛り上がっており、それらに使用されている音楽への関心が自分の中で高まっている。短尺動画に使われる以上、音楽も当然ながら短尺化されている。それらはCMソングよりもさらに短い時間でより多くの人々の関心を掴み、またその動画に留めることが求められるであろうから、そういった音楽を作ろうと思うと従来とは異なった思考法が必要になりそうなことが、関心を持っている理由である。果たして、人間が満足する10秒未満の音楽はあるのだろうか?
- 「音楽が好き」という人同士で話をどうすり合わせていくかという過程は人それぞれだと思うが、互いにお薦めしあうというのがその1つの方法であることは間違いない。僕は人に何かを薦めることが得意ではないのだが、頭の中ではなんとなく、このアーティスト、アルバム、曲が好きであればこれも好きだろうな、という地図があるので、それをもとに誰に何を薦めるか考えることがある。ところで、 Spotify を使用しているときにお薦めがよく出てくるが、レコメンドの性能が高いな、と思わされることがしばしばある。なぜかは分からないが、レコメンドの性能では Spotify に負けたくないという気持ちが芽生えつつある。実は人にお薦めしたいと思っているからなのかもしれない。